当協会は、公和館古畑公幸師範の御尽力により、無外真伝無外流居合兵道・卜傳流柔術腰廻居合兵法・柳剛流杖術・浅山一傳流柔術の指導者を軸として、平成22年4月1日に発足致しましたが、 平成23年度当初の(財)松本体育協会総会におきまして正式に新規加盟が承認されました。

 (財)松本体育協会傘下の武道系団体として、我が国の伝統武術・文化の正しい継承と普及・発展を目指し、各流、各分野で修練と研鑽を重ね、 歴史の彼方に消え残る縁を頼りに日本的身体繰用法の実際を発掘し、 究極的な自存自衛の法を会得すべく、刻苦を惜しまぬ修行が求められます。
 同時に外に開かれた体育として、一般への啓蒙に鋭意意欲を傾注することを忘れてはならないでしょう。


 ・無外流居合兵道正傳會信濃無外会(公和館・犀龍会・直流会・斗心会・英心会・正心会)
 ・信濃一傳會(正心会)
 ・松本城鉄砲隊

 

  武道という名称は江戸後期から明治初期に出来た名称で、明治以前には武道と称されるものは、ほぼありませんでした。
武術とはなの通りの術であり、純粋な技能(スキル)以外の何物でもありません。
 しかし、その技術は江戸を経て明治を迎え、大正へと時代が移るとともに武としての在り様が変化しました。

 元々、武術の各流派では純粋な技能の向上と強靭な精神力をやしなう事を主眼とされていました。
もちろん術理と同時に礼節を教えますが、あくまで武術の本質は技能であり、それ以上でも以下でもありませんでした。
 時代が流れ、ある程度の泰平である江戸後期になると武術は”道”を模索する動きが生まれます。そして明治になり、純粋な技能であった"術"に"道"を模索することが増え、第二次世界大戦後には武術が生き残るために体育的見地を取り入れる必要ができ、更に”道”を求める事が加速度的に増えていきます。
こうした時代背景により、現代にある武道というものが生まれたのです。

 現代では一般的に”武道”と称されるものは明治以降に発したものを指します。
これを現代武道と称し、明治以前に発した武術は古武道と称されております。

 平成という時代を迎えた現代の日本では、純粋な技能、技術としての武は日常生活に必要とされていないため、現代では純粋な技能、技術よりも”道”としての在り様、礼儀作法や肉体的精神的な向上をはかるためのものとされているのが一般的となっています。
 しかしながら、道や礼儀、精神としての側面も大切ですが、その前にある技と術も決して無くしてはならないものです。
日本に古来より脈々と受け継がれてきた先人達の智慧や技術、伝統は非常に多くの優れた術理であるとともに、時代が移り変わるにつれ失われやすいものでもあります。
 純粋な”技能”としての武、生涯追い求める”道”としての武どちらが大切かというのは時代や人により違いますが、どちらも求める事が出来る現代人は幸せなのかもしれません。

 私ども松本古武道協会では、”道”としての武を大切にしながら先人達が遺してくださった純粋な技能としての術も同時に研究し、日々稽古を行っております。
 ”道”として求める門人、”術”として黙々と厳しい修練を積む門人、多種多様な人間が集まるのが私ども松本古武道協会であります。

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